まぶたの手術
まぶたの手術
まぶたを上げるための筋肉(眼瞼挙筋)の働きが弱まることによって、目を開いた時に上まぶたが上がらない状態です。
生まれつき、先天的な理由でおこる場合と、加齢や病気(重症筋無力症、動眼神経麻痺 etc..)、コンタクトレンズの長期装着などといった後天的な理由でおこる場合とがあります。
見た目が眠い感じになり、しばしば眉毛をつり上げるために額に皺が寄ります。
視界が狭くなり、特に上方が見えにくくなるため、あごを上げて物を見るようになります。このため肩の筋肉に無理な力が入り、肩こりの原因となります。
手術は余った皮膚のみを取り除く場合と、眼瞼挙筋と呼ばれる筋肉の腱膜を適正な位置に縫い付ける手術とがあります。切開するため少し腫れますが、術後視野が広がり肩こりや頭痛が軽減する方もいらっしゃいます。
Before
眼瞼下垂・治療前
After
眼瞼下垂・治療後
最初に、まぶたに部分麻酔の注射を行いますが、30ゲージという極めて細い針で行いますので、痛みが気になることはあまりありません。
手術はしっかり麻酔を効かせた状態で行いますので、手術中の痛みはほとんどありませんので、ご安心ください。
手術当日は、まぶたに若干の痛みがあることが普通です。術後は痛み止めを処方しますが、服用されない患者様も多くいらっしゃいます。我慢できないほどではないと思います。
術後1週間くらいの間は、まぶたの腫れが目立ちます。また抜糸まではキズ口の縫い目も目立つ状態です。
抜糸した後は、縫い目がなくなりまぶたの腫れもだいぶ目立たなくなる方が普通です。
術後2~3日はなるべく腫れがひどくならないように安静にして、まぶたの周りをアイシングすることが勧められています(氷で冷やすなど)。
事務作業のようなお仕事は、手術翌日からしていただいて問題ありません。
力仕事や運動などについては、まぶたの腫れが落ち着く術後2週間くらいまでの間は控えていただいた方が良いです。
愛知医科大学病院 眼形成・眼窩・涙道外科
准教授 高橋 靖弘(たかはし やすひろ)
日本眼科学会指導医
日本眼科学会認定専門医
アジア太平洋眼形成再建外科学会前副理事長