涙道の手術
涙道の手術
涙は上まぶたの外側にある涙腺から分泌され、まばたきと共に眼の表面へ送り出されます。
通常は眼の表面から少量が蒸発し、残りは目頭付近にある上下の涙点から涙小管へと通じ、さらに涙嚢から鼻涙管を経て鼻腔へと流れていきます。しかし何らかの原因で、この涙の通り道(涙道)が狭くなったり、閉じてしまうことがあります。
涙道のどこかが狭くなった状態を涙道狭窄、閉じてしまった状態を涙道閉塞といいます。
涙道閉塞になると、涙の排出部の閉塞による流涙で常に目に涙がたまった状態になったり、涙がこぼれるなどの症状が出ます。
その他、涙小管の炎症による発赤や痛み、涙嚢部の感染による目脂(めやに)や発赤などの症状が出ることもあります。
局所麻酔で手術を行います。細い金属の棒を用いて詰まっている部分を開通させ、そこにシリコンチューブを留置します。このチューブを2~4ヶ月間留置した後、外来で取ります。
目頭を強くこすらなければ、当日から洗顔、入浴、食事などに制限はありません。
詰まっている場所や程度によってはチューブを入れられず、この方法では治療できない場合があります。
愛知医科大学病院 眼形成・眼窩・涙道外科
准教授 高橋 靖弘(たかはし やすひろ)
日本眼科学会指導医
日本眼科学会認定専門医
アジア太平洋眼形成再建外科学会前副理事長