緑内障
緑内障
緑内障は、何らかの原因で視神経が障害され視野(見える範囲)が狭くなる病気で、眼圧の上昇がその病因の一つです。
ただ、近年、眼圧が正常である正常眼圧緑内障が日本では多いことがわかってきました。
一般的に、視神経の障害はゆっくりとおこり、視野(見える範囲)も少しずつ狭くなっていくため、目に異常を感じることがなく、自覚症状がないまま、知らないうちに病気が進行していきます。
緑内障のタイプによっては、急激に眼圧が上昇し目の痛みや頭痛、吐き気など激しい症状をおこします。時間が経つほど治りにくくなるので、このような発作がおきた場合はすぐに治療を行い、眼圧を下げる必要があります。
遺伝や近視が重要な病因であることがわかってきています。
強度近視の方、ご家族に緑内障の方がいらっしゃる方は、緑内障検診を受けることをおすすめいたします。
緑内障の基本治療は眼圧を下げることです。
点眼薬、内服薬によって、房水が産生される量を減らしたり、房水の流出を促進したりして、眼圧をコントロールします。
点眼薬を複数組み合わせて治療をおこなっても、十分な効果が得られない場合は、レーザー治療を検討します。
緑内障のレーザー治療は、薬物療法で眼圧下降の効果が十分に得られない場合に、検討される治療方法です。
レーザー治療 SLT(Selective Laser Trabeculoplasty)は低リスクな治療法であり、あらゆる段階での選択肢となります。ただし、効果が得られない場合もあります。
痛みはなく、治療は3分ほどで終えられます。
緑内障は放置すると、視野が徐々に視野が狭くなり、最悪の場合には失明に至ることがあります。
しかし、早期に発見し、適切な治療を受けることで、視力、視野を保つことができます。ですから、定期的な眼科検診がとても重要です。
基本的に、血圧と眼圧は、相関関係がほとんどなく、高血圧が直接的に緑内障と関係することはないと言われています。
ただし、低血圧の場合、視神経の栄養とする血流が低下して、視神経の機能低下に陥り、視神経繊維の減少や脱落につながるという報告がありますので、異常がなくても定期的に眼科で検査を受けることをお勧めします。
正常眼圧緑内障といいます。眼圧が正常であっても緑内障になるケースが多く、現在では緑内障全体の70%以上が正常眼圧緑内障と言われています。
40歳を過ぎたら、眼科検診を受けることをお勧めします。
人間ドックや健康診断の眼底検査で「視神経乳頭陥凹拡大」と診断され、受診される方が多くいらっしゃいます。視神経乳頭の中央部のくぼみ(陥凹)が拡大する状態を指し、簡単に言うと『緑内障の疑いがある』ということです。
「症状がないし」と精密検査を受けない方もいらっしゃいますが、緑内障は症状が出にくい病気です。そのため、健康診断で指摘された方は、眼科で精密検査を受けることをお勧めします。